知っておこう!

福祉タクシーとは?

福祉タクシーの正式名称は、「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」といい介護保険適用外タクシーのことで、介護認定の有無に関わらず身体に障害があり、公共交通機関での自力移動が難しい方や付添いの方でもご利用できる完全予約制のタクシーです。乗務員は2種免許の他に必ずしも必要ではないのですが介護職員初任者研修以上の介護有資格者がサポートします。また、自治体が発行する「障がい者福祉タクシー利用券」が使用できるほか、運賃以外の料金は事業者が設定できるのも特徴です。

介護タクシーとは?

要介護認定「要介護1」以上を受けた方がご利用できる介護タクシーは、訪問介護事業所としての営業許可(厚生労働省)の取得と介護タクシーの営業許可(国土交通省)を受けることで介護報酬の一つである「通院等乗降介助報酬を請求」することができます。また、一般的に介護タクシーの営業許可があれば「ぶら下がり許可」を取得することができるため、介護資格を有する職員が二種免許をもっていなくても通院等乗降介助を提供する限りにおいてはタクシー事業ができるのも特徴です。また福祉タクシーより料金が安いなどの利点はありますが、反面、「お客様と介護タクシーとの間で利用契約が必要」「原則として家族の方は乗車できない」「ケアマネージャーのケアプラン(介護サービス計画書)による利用」「病院内では受付までで付き添いができない」など福祉タクシーより利用内容は制限されます。

一般タクシーと福祉タクシーとの料金比較? 

一般タクシーとの料金比較

普通のタクシーは運賃料金に対して、福祉タクシーは、「運賃+基本介助料+介護器具使用料=利用料金」となることから割高となります。 例えば初乗り690円に対して、福祉タクシーは運賃690円+基本介助料1000円+車椅子レンタル料500円=合計2190円と1500円の差額となります。また国が定める運賃の他に車両規格及び基本介助料、器材使用料等の設定価格で変化します。このように割高になることは大変心苦しい思いはありますが、普通のタクシーと比較して圧倒的に利用人口の少ない完全予約制の営業であることをご理解ください。

「福祉有償運送」とは?

実は介護関連タクシーには、介護タクシー、福祉タクシー、福祉有償運送の3種類があります

福祉有償運送とは、交通機関が著しく不便な地域の住民に限定した利用や病院・老人施設等で運用されているもので、運営はNPO法人など非営利が基本であり、営業を希望する者は国土交通大臣が認定する「福祉有償運送運転者講習等」を受講・修了し、運営協議会において協議が調ったのち運輸支局へ登録すれば、第1種運転免許で白ナンバー福祉車両(自家用車)を営利目的で運転することが可能です。運賃等は選択の自由度が低く、営利活動は限定され社会貢献の意味合いが強いなど「一般タクシーの1/2の料金が目安」とされています。利用できるお客様の基準は、福祉タクシー等と同様であり経済的に厳しい方に特に有効ですが会員登録をする必要があります。またドライバーは職員等が兼務することが多いのも特徴です。福祉タクシー業界にとっては多少気になる存在ではありますが、運営形態が限定されており業績等が不明なため「これ以上良く分からない」のが実情です!

「なのはな」の屋号について

なぜ、「なのはな福祉タクシー」の屋号にしたのか?

なのはなとは、「菜の花」のことで春先から初夏にかけてどこにでも人の手で或いは自然に力強く咲き誇り、すべての生き物を和ませてくれるアブラナ科アブラナ属の花の総称です。 菜の花は身近な春の光景として親しまれている存在でもあります。 他方、「ネーミング」の選択にあたり人に覚えてもらい易い文字数は3文字か4文字程度が良いとされています。 私は人々を和ませ親しまれる存在でありたいとの願いを込め「なのはな福祉タクシー」と命名しました。

介護タクシーと福祉タクシーとの料金比較

保険適用とそうでない場合の違いが良く分からない。このような疑問をお持ちの方いらっしゃいませんか?

要介護認定「要介護1」以上を受けた方がご利用できる介護タクシーは、介護保険制度で定められている訪問介護サービスの一つである「通院等乗降介助を行う福祉車両の総称」で介護保険で1割から3割程度の自己負担に軽減できます。これらはケアプラン(介護サービス計画書)に基づき日常生活又は社会生活上必要な行為に伴う外出だけに保険が適用され仕事や趣味・趣向などの目的に利用することはできないことが前提です。では保険適用で何がお安くなるのでしょうか?介護タクシー料金は「運賃+通院等乗降介助料+介護機器レンタル料」のうち、通院等乗降介助料が保険適用であるため、運賃や機器レンタル料は全て実費負担となります。つまり通院等乗降介助料が1割~3割程度の負担で済むことから福祉タクシーよりお安くなる部分です。因みに介護タクシー事業者は、保険適用となった差額分を月締めで国保連に請求することから、福祉タクシーと比べて損をするようなことにはなりません。

病院への付添介助承ります

認知症や身体が不自由な家族の通院に同行できない。こんな時どうしたらいいの?

弊社では介護保険外サービスとして、看護師又は介護資格を有する乗務員が、病院までの移送だけでなく通院時の通院付添も承っております。ご自宅や施設等から病院までの移動及び病院内での受付・診察・薬の受け取り・支払などについてお客様の状態に合わせて必要な介助をおこないます。介助に当たっては個人情報に触れますので、予めご家族さまのご理解が必要です。なお守秘義務は厳守致します。特に認知症のある方の通院に当たっては、ご家族さまに事前に電話や弊社通院予診票で日頃の状態を確認させていただきます。当日(又は前日)は、保険証、お薬手帳、血圧手帳及び通院費用をお預かりし、事前に確認した内容(予診票)を受付に提出します。受診終了後に診察結果(担当医からの説明事項や次回受診日など)及びタクシー料金の振込先などを記載した書面でご家族さまに報告させていただきます。不明な点はお気軽にご相談ください。

患者等搬送事業者(民間救急の認定)とは?

患者等搬送事業者とは、救急車の適正利用を促すことを目的として定められ、緊急を要しない患者等が医療機関への通院や入退院及び転院、社会福祉施設等への送迎に際し、ストレッチャーや車椅子を用いての移動手段を提供する事業者をいいます。救急車を利用するほどではないが、移動手段がないなどの場合には、患者等搬送事業者をご利用ください。※救急車と同様の処置は行えませんので、緊急を要する場合にはすぐに119番通報をしてください。

乗車距離が同じでも料金は変ることがあります!

はじめてご利用される場合は高い料金に驚かれるケースが稀にあります。

福祉タクシーは、何となく料金が高いことはご存じですが、初めて利用される方や一般タクシー運賃のイメージが強い方は料金の高さに驚かれるケースが稀にあります。また、前回利用時よりも運賃が高いと思われることもあります。 そこで今回は料金が高くなる理由を説明します。 まず最初に①「同じ距離なのになぜ運賃が違うの」については、時間・距離併用運賃を採用しているため、進んだ距離だけではなく交通渋滞や信号待ちでも一定時間ごとにメータが上がります。次に②「前回利用時よりも料金が大幅に高くなった」については、(一例として)前回利用時は、お客様が車椅子乗車できたのが、次に利用した時は病状が重く寝たきり状態からの移乗となり、室内介助料+ストレッチャー使用料+階段がある場合は階段介助料、酸素ボンベが必要な時は酸素使用料など追加料金が発生します。 以上の事をまとめると「時間・距離併用運賃を採用しているため道路交通状況により運賃が高くなることがある。 お客様の体調や症状に合わせ器材使用料や介助料が加算されるため料金が高くなる」です。 この様なことから「すぐ近くの移動距離でも数千円掛った」などというケースは、しばしば見られます! このため努めて見積料金をお知らせし理解が得られるように努めています!

タクシー料金の「領収書内訳」について!

弊社が発行した領収書の一例です!実際に使用したものを掲載しています。行先が26.2km離れた病院への転院と付添看護の依頼を受けました。この時は運賃の他に5つの加算料金が発生しました。5つの加算料金をいただくケースは稀であり、加算内容は、お客様等からの要求や症状により変化します!

介護タクシー・福祉タクシーの歴史

1998年、福岡県の小さな田舎町で介護タクシーが発案されサービスがはじまりました。当時は、営業申請を提出してから認可が下りるまで約1年を要し、制度に対する認識も少なく僅かな存在に過ぎませんでした。2000年頃から介護保険法改正に伴い介護保険を利用できる介護タクシーが増加し、これに伴い、タクシー事業所が介護事業所を併設したり、タクシー許可のない介護事業所が白ナンバーでサービスを提供することができるようになりました。今の個人タクシーとは違い1人一台ではなく100台以上ある大手参入の時代でした。しかし、僅か数年で介護保険を使う介護タクシーは「金食い虫」と呼ばれ「国の保険料をひっ迫させる」などとして2003年の介護保険法改正に伴い、報酬単価の高い身体介護から複合型介護へと変わり、更に単価の安い通院等乗降介助となったことで大手介護保険タクシー事業所は採算が取れないなどとして徐々に撤退していくことになりました。2005年以降は、自費負担による福祉タクシーが主流となり徐々に増加するようになり併せて民間救急(患者等搬送事業者)の推進が行われるようになりました。この頃の福祉タクシーはどんなやり方をしても利益が出る黄金時代でした。2010年以降は、福祉タクシーが急激に増えたことでサービス競争もあり、進化を遂げながら現在に至っています。